執筆者
きむら歯科
院長木村 謙治
経歴
- 2016年4月~
2018年9月医療法人知慈会 ふじた歯科クリニック - 2018年10月~
2021年12月冨士田歯科医院 - 2022年1月~ 現在 園部歯科
- 2026年8月きむら歯科開業
歯周病は、歯そのものではなく、歯を支える周りの組織に起こる病気です。歯と歯ぐきのすき間から入り込んだ細菌が歯ぐきに炎症を起こし、進行すると、歯を支える顎の骨まで溶かしてしまいます。成人が歯を失う原因の第一位は、むし歯ではなく、この歯周病です。しかも初期は自覚症状が出にくく、気づいた時にはかなり進んでいることも少なくありません。
だからこそ、早めの対応と、悪くさせないための継続したケアが何より大切です。
ひとつでも当てはまる方は、歯周病が進んでいる可能性があります。気になる症状があれば、どうぞお早めにご相談ください。
歯周病の直接の原因は、歯に付着した細菌のかたまり「歯垢(プラーク)」です。これを取り除かなければ、進行を食い止めることはできません。治療の中心となるのは、この歯垢や歯石を取り除く「歯周基本治療」です。基本治療は、患者さまご自身がおこなうセルフケア(ブラッシング)と、歯科医院でおこなうプロフェッショナルケアがセットになってはじめて効果を発揮します。
また、歯周病を悪化させる要因は歯垢だけではありません。喫煙、糖尿病、不規則な生活やストレスなども関わってきます。こうした原因を一つひとつ取り除いていくことが、歯周病治療の基本です。
歯と歯ぐきのすき間に歯垢が溜まり、歯ぐきに炎症が起きた状態です。歯周ポケットができ始め、歯みがきの際に出血することがあります。
炎症が進み、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け始めます。歯周ポケットは3〜4mm程度に広がりますが、自覚症状はまだほとんどありません。
歯ぐきが赤く腫れ、骨の減少も進みます。歯周ポケットは5〜6mmに広がり、歯が浮いたような感覚や、硬いものが噛みにくいといった症状が出てきます。
炎症が悪化して歯ぐきがブヨブヨになり、骨が大きく失われます。歯周ポケットは7mm以上になり、歯がグラグラし、口臭も強くなります。
歯周病は、進行の程度によって必要な治療が変わります。まずは検査でお口の状態を正しく把握することから始めます。
歯周病は、お口の中だけの問題ではありません。近年の研究では、心臓の病気や糖尿病、高齢の方の肺炎など、全身のさまざまな病気と関わりがあることが分かってきています。お口の健康を守ることは、体全体の健康を守ることにもつながります。
歯周病のケアは、むし歯の治療とは少し性質が異なります。むし歯なら削って詰めれば分かりやすく良くなりますが、歯周病は「歯医者に行ったから劇的に良くなった」と実感しにくいものです。むしろ「通っていたからこそ悪くならずに済んだ、通わなかったから進んでしまった」という性質のものです。この分かりにくさこそが歯周病の難しさだと考えています。だからこそ当院は、症状がなくても継続して通っていただくことを大切にしています。
歯科医院で歯石を取ることも大切ですが、根本的には、ご自宅で毎日きちんとみがけているかどうかが結果を大きく左右します。どれだけ通っていただいても、家でのケアが伴わなければ、歯周病は少しずつ進んでしまいます。だからこそ、ご自宅でのケアが続けられるよう、しっかりとサポートしてまいります。
なんとなく通っていただくだけでは、なかなかケアは続きません。当院では、検診のたびに「ここはみがけていますよ」「ここは少し気をつけてみてください」といったお声がけを添え、ご自身のお口の状態に興味を持っていただけるよう心がけています。モチベーションを保ちながら、一緒にお口の健康を守っていける関係を目指しています。
歯肉炎や軽度の段階であれば、歯石を取り除く基本治療とご自宅でのケアで、健康な状態を取り戻せることも多くあります。ただし、進行して溶けてしまった骨が自然に元通りになることは基本的にありません。だからこそ、早い段階で対応すること、そして治療後も再発させないよう継続してケアしていくことが大切です。
改善した状態を保つためのメインテナンスは、3ヶ月に1回を目安におすすめしています。ただし、お口の状態は一人ひとり異なりますので、当院ではその方に合ったペースを相談しながら決めています。
はい、ぜひお受けください。歯周病は、初期にはほとんど自覚症状がありません。「痛くないから大丈夫」と思っているうちに進んでしまうのが、この病気の怖いところです。症状がない今こそ、一度お口の状態を確認しておくことをおすすめします。